Gate 研究院：CPI ラッシュ後の反落｜市場はリスク低減と防御的なムードが主導

GateResearch

2025-12-19 05:59:08

暗号市場全景

BTC（-0.91%丨現価 85,356.6 USDT）：過去 24 時間、BTC は CPI データ発表後、一時的に 89,000 ドル上方まで上昇したものの、安定して維持できず、89,000–90,000 ドルの範囲で明らかな売り圧力に直面し、その後急落、最低 84,460 ドルまで下落。全体として、上昇失敗後の弱気な下落と低位でのもみ合いの展開を示す。移動平均線の構造は MA5 < MA10 < MA30 の弱気配列を維持し、価格は引き続き MA30 の下で推移、短中期のトレンドは依然弱気。短期的には 86,000–86,500 ドル付近の抵抗に注目し、これを効果的に取り戻せない場合、市場は引き続きもみ合い、再び下落する可能性もある。
ETH（-0.2%丨現価 2,822.53 USDT）：CPI データによるリスク感情の一時的な回復に伴い、ETH は一時的に 3,000 ドルに迫ったものの、安定せず、その後下落、最低 2,775 ドルまで下落。全体として反発の勢いが乏しいままレンジ圧力の調整局面を示す。移動平均線の構造は、短期の平均線が MA30 の下で何度も絡み合い、明確な反転は見られず、価格はトレンドに抑えられている。短期的には 2,800 ドル付近のサポートに注目し、割り込むと下方向への試験も考えられる。上値の 3,000 ドルは依然として重要な心理・技術的抵抗線であり、中長期的には 2,800–3,000 ドルのレンジでのもみ合いが続く見込み。
アルトコイン：恐怖指数は 16 のまま、極度の恐怖ゾーンにあり、市場はリスク回避の防御的な状態を継続。リスク許容度は低下傾向。
マクロ経済：12 月 18 日、S&P 500 は 0.79% 上昇し 6,774.76 ポイント、ダウ平均は 0.14% 上昇し 47,951.85 ポイント、ナスダックは 1.38% 上昇し 23,006.36 ポイントとなった。12 月 19 日 12:45 AM ( UTC+8 時点で、現物金は 1 オンスあたり一時 4,348 ドル、24 時間で 0.39% 下落。

Alpha 解説

230 億ドルのオプション満期が BTC の短期最大リスクに

市場では、約 230 億ドル相当の BTC オプション契約が 2025 年 12 月 26 日（次の金曜日）に満期を迎える予定で、未決済の半数以上を占める巨大な規模。満期間近になると、特に多くの契約が集中している場合、ボラティリティが拡大しやすい。これは、トレーダーが満期前にポジション調整を行う必要があるため。併せて、30 日のインプライド・ボラティリティは既に約 45% に回復し、オプションのスキューは約 -5% で、負の値はプットオプションの需要が高く、下落リスクのヘッジコストが高いことを示す。この状況は短期だけでなく、中長期の 2026 年第1四半期・第2四半期にも類似しており、トレーダーは下落リスクに備え、プット買いを積極的に行っていることを示す。

注目すべきは、BTC は 2025 年 10 月初の史上最高値超えの 12.6 万ドル超から約 30% 下落しており、今四半期は 2022 年第2四半期の Terra/LUNA 崩壊以来最悪の四半期となる可能性がある。

Lido DAO は多角化を加速、6,000 万ドルのエコシステム予算申請

Lido DAO は、2026 年に合計 6,000 万ドルのエコシステム資金を申請中であり、これは第三段階の GOOSE（Guided Open Objective Setting Exercise）戦略目標の実行を目的とし、Lido を単一の Ethereum LST プロトコルから多製品イノベーション組織へと変革する計画。

主な重点は、製品ラインの拡充、新たな収益源の開拓、長期的なプロトコルの耐性向上であり、現在の ETH ステーキング事業にとどまらず、Lido は約 24% の Ethereum ステーク比率をコントロールし、DeFi TVL では Aave に次ぐ第二位。背景には、多角化による潜在的リスク対応や、以前のステーキング集中化に対するコミュニティの批判・議論の継続、また GOOSE/reGOOSE 目標（例：ステーキングルーターの開発、デュアルガバナンス、L2 連携、リステーキング支援など）を含む。

この予算は LDO 保有者の投票承認を必要とし、承認されれば、Lido の貢献者団体、基金会、関連プロジェクトに継続的な資金援助を提供し、研究開発、監査、展開、新製品の探索を支援。現状、コミュニティフォーラムでは大きな議論はなく、平静を保っている。全体として、LST 主導からより広範な DeFi エコシステムへの展開へと戦略を転換し、2026 年に向けて多角化と拡大を加速させる動きの一環。ただし、資金配分の効率と実行リスクには引き続き注意が必要。

JPMorgan：2028 年までにステーブルコインの総時価総額は 5,000–6,000 億ドルに達すると予測

JPMorgan のアナリストは最近、ステーブルコイン市場に対して保守的な予測を再表明し、2028 年までにステーブルコインの総時価総額は 1 兆ドルには到達せず、約 5,000–6,000 億ドルにとどまると見ている。この予測は、他の機関の楽観的見通し（例： Citi は 2030 年に基準で 1.9 兆ドル、強気シナリオで 4 兆ドルと予測）よりも低い。これまでに、ステーブルコイン市場は約 1,000 億ドル増加し、総額は 3,000 億ドル超に拡大。主な成長要因は Tether - USDT と Circle - USDC によるもので、需要は引き続き取引、デリバティブ担保、DeFi の貸付、資金運用に集中し、広範な決済にはあまり使われていない。

JPMorgan の分析によると、ステーブルコインの成長は暗号市場全体の時価総額と同期し、ステーブルコインの占める割合は 7–8% 程度にとどまる見込み。制約要因は、決済システム内でのステーブルコインの流通速度上昇、銀行のトークン化預金や CBDC との競争、規制当局の非譲渡性設計を好む姿勢、SWIFT などの従来システムのブロックチェーン実験の強化など。ステーブルコインの成長は暗号エコシステムから大きく乖離せず、決済拡大が爆発的な時価総額増加をもたらすわけではなく、銀行主導のトークン化施策は民間のステーブルコインの市場をさらに圧迫する可能性がある。
参考資料：