トラストの概要:意味と投資への応用

多くの投資家はトラストという言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、その意味や特徴、REITや他の投資信託とどう違うのかについては明確でない場合もあります。この記事では、この資産タイプの仕組み、種類、投資方法について詳しく解説し、投資家の理解を深めることを目的としています。

トラストとは何か、REITとどう違うのか

一般的にトラストとは、法律に基づいて設立された資産管理の仕組みであり、トラスターが資産の管理・運用を担当し、その利益を契約書に従って受益者に分配します。

トラストとREITの主な違いは、トラストは不動産、株式、債券、その他の収益を生む資産など、多様な資産を管理できる点です。一方、REITは不動産の管理・運用に特化したトラストの一種です。

もう一つの見方として、REITは資産の種類に制限のあるトラストとも言えます。なお、両者とも法人格を持たず、契約に基づいて設立される点も共通しています。

そして、投資信託との違いと類似点

投資信託はもう一つの資産運用の形態ですが、基本的な違いは、投資信託は法人格を持つのに対し、トラストは持ちません。また、投資信託の設立には登録や許可が必要ですが、トラストは民法上の契約によって設立されるため、より柔軟性があります。

関係者とトラストの構成要素

トラストの設立には、以下の三者が関わります。

  • 設立者(Settlor):資産を所有し、それをトラストに移転する人
  • トラスター(Trustee):契約に従って資産を管理・運用し、手数料を受け取る役割
  • 受益者(Beneficiary):資産の運用による利益を受け取る人。トラスターの不正行為に対して損害賠償を請求できる権利も持つ。

また、トラストの成立には、意図の明確さ、資産の特定性、受益者の確定性の三要素が必要です。

トラスト設立のメリット

トラストの利用にはさまざまな利点があります。

  • 実資産を移転せずに第三者に利益をもたらすことができる
  • 資産の目的に沿った管理を保証
  • 各国の法律によって税制上の優遇を受けられる場合もある
  • 取り消し可能なトラストは、所有者が病気や無能力になった場合に専門家に管理を任せ、自己管理が可能になったら取り消せる
  • 設立や条件変更の柔軟性が高い

トラストの種類

取り消し可能・不可能に加え、さまざまなタイプに分類されます。

  • 資産保護のためのトラスト
  • ブラインドトラスト(設立者がトラスターの運用方法を知らない)
  • 慈善トラスト
  • 世代を超えた遺産管理トラスト
  • 税務計画のためのトラスト
  • 不動産管理トラスト
  • 婚姻財産管理トラスト
  • その他の特殊目的トラスト

歴史と進化

トラストの概念はローマ時代にさかのぼり、遺言の管理に用いられました。中世イギリスでは、戦争に備えて土地を信頼できる人物に預け、利益の管理や相続を行わせる仕組みとして発展しました。こうした仕組みは、契約と信頼に基づくものであり、現代の資産管理ツールへと進化してきました。

日本におけるトラスト

日本では、証券取引所を通じた資金調達のためにのみトラストの設立が認められています。金融庁の公告により、次の二つのタイプに分かれます。

1. 運用・投資を目的としたトラスト(Active Trust)

資産運用を目的とし、収益を増やすために設立される例:

  • 機関投資家や大口投資家向けの投資トラスト
  • 不動産投資信託(REIT)

2. 資産保有を目的としたトラスト(Passive Trust)

特定の利益のために資産を管理する例:

  • 従業員持株会(ESOP)
  • 雇用者と従業員の共同投資プロジェクト(EJIP)
  • 債券償還のための準備金トラスト

現在、日本で多く設立されているトラストは不動産投資型が中心であり、投資家はREITに馴染みがあります。これにより、投資家は資産の内容を確認しやすく、初心者から経験者まで幅広く利用されています。

まとめ

トラストは、さまざまな資産を管理・運用するための法律・金融の仕組みであり、REITと比べて管理対象の資産が多様です。REITもまた、不動産に特化したトラストの一種です。

この仕組みを理解することで、投資家は自分の目的やニーズに合った投資手段を選択できるようになり、大規模な資産に投資したいが資金が少ない場合にも有効です。

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