仮想通貨界で最も人間性を試されるのは、実は相場の上昇や下落そのものではなく、波動に直面したときの心構えと実行力です。多くの人はエントリー時に熱意に満ちていますが、最初の大きな調整で後悔し始めたり、買い増しに熱中して最後には全てを失ったりします。実はこれらの落とし穴は、システム的な建玉方法を用いることで回避可能です。

私はこの方法を「253分割建玉法」と呼びます。核心は資金を3つの段階に分けて配分し、各投入が試練に耐えられるようにすることです。例えばBTCを例にとると、元本が10万円の場合、リスクをコントロールしつつチャンスを掴むにはどう配分すれば良いでしょうか？

**第一段階：軽く試す（20%）**

まず20%、つまり2万円を投入します。この資金の役割は何でしょうか？それは市場のリズムに慣れることです。多くの初心者は最初から全額を投入し、相場が揺れるとすぐに慌ててしまいます。ポジションが軽いと心理的な負担も少なく、むしろ状況を冷静に見極められます。また、この2万円を全て失っても心理的に耐えられる範囲内なので、次の判断に影響しません。

**第二段階：段階的に買い増し（50%）**

残りの50%、つまり5万円は、実質的なメイン資金です。ただし、一度に全て投入するのは避けましょう。相場の動きに合わせて段階的に買い増しを行います。相場が上昇したら？動かず、明確な調整を待ちます。下落したら？それはチャンスです。「8%下落ごとに買い増し、1回あたり10%ずつ増やす」というペースでじっくりと買い増しを進めます。

この方法の妙味は何でしょう？それはコストを平準化できる点です。相場がどのように動いても、平均取得コストは徐々に下がっていきます。これにより、たとえ高値でエントリーしても、その後の安値買いでコストを引き下げ、特定のポイントで損切りを強いられるリスクを減らせます。

**第三段階：トレンドの確認（30%）**

相場が明確な方向性を示し、例えばBTCが重要な抵抗線を突破し再び下落しない場合、トレンドが安定し始めたと判断します。この段階で最後の30%、つまり3万円を投入します。

なぜこのように設計するのでしょうか？それは、トレンドを確認するコストは予測するよりもずっと低いからです。相場が本当に上昇するかどうかを予想するよりも、実際に上昇してから追随した方が安全です。これにより、最安値を逃す可能性はありますが、無駄な追高やロスカットを避けられます。

**心構えこそ勝負の鍵**

この方法は一見「愚か」に見えるかもしれません。すぐに倍になるような快感は得られません。でも、その「愚かさ」が長く生き残るための秘訣です。仮想通貨界には賢い人は多いですが、欲を抑え追い増しをしない、恐怖に打ち勝ち損切りできる人こそが生き残るのです。

今も市場は振幅を繰り返し、毎日誰かが追い増しやパニック売りでロスカットしています。でも、このシステム的な建玉方法を使い、段階的に資金を配分すれば、各段階の目標も明確になり、実行もより堅実になります。完璧なエントリーポイントを待つ必要はありません。なぜなら、あなたは単一のポイントに賭けているのではなく、一定のレンジとトレンドに賭けているからです。

最後に伝えたいのは、安定して利益を出す方法は意外とシンプルだということです。複雑な操作は実行中に問題を引き起こしやすく、シンプルな方法こそ継続しやすいのです。仮想通貨界では、賢さよりも継続性の方が何倍も価値があります。